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ブライダル産業フェア2024の感想②

プラスワン・プランナーを運営する株式会社永光の高橋です。
前回はブライダル産業フェアにて参加したセミナーの概要と感想を書きましたが、今回はそれを受けて率直に当方が思ったことを書きたいと思います。

前回の投稿

全体の感想

まず参加していないセミナーや訪問していないブースも含めての全体的な感想ですが、訪問者数や熱量が非常に大きいなと感じました。セミナー数も50と多く、毎年恒例の方から新しい顔ぶれの方までとてもバラエティに富んだセミナーやブースがあるなとも思いました。

また集客力が抜群にある講師陣も多く、顔や名前が売れていることの重要性はつとに大きいなと感じた次第です。反面、集客数と講座内容の良し悪しはあまり関係がなく、全席埋まっているわけではないけれど素晴らしいセミナーをされている方も多く、ここに出店したり講師として呼ばれること自体がある意味、名誉でもあるなとも感じました。

一方で当方なりに感じた視点として、ブース出店はともかくとして、セミナー全体に共通していたテーマが仮にあるとすればそれは、『いまある価値の最大化を図ろう』ということだったのかなということです。

既存の価値の最大化=感動の総量を上げる

『既存の価値の最大化を図る』ということが、新規接客や集客数増加、あるいは施行クオリティの向上などセミナーのタイトルが違っていても根底ですべて共通していたテーマであったように感じたということです。

これはどういうことことかというと、新規接客を例に出すと、図で表すとこのようなイメージです。

たとえば、『いま現在、新規で取り組んでいること=既存の価値』、これを100とすると、この100にプラスアルファの取り組み=価値を上積みすることで、その価値100が125になったり150になったりするような方法論が各箇所で懸命に語られていたように感じたということです。
この100をマストラインとすると、100を超えると感動ラインに達し、新規の成約数も上がっていくといったイメージです。

これは施行でも同じで、図で表すとこんなイメージです。

『いま現在、施行で取り組んでいること=既存の価値』、これを100とすると、この価値100を超える取り組みがもっとも大事で、これを超えるための実例や各種の方法論が赤裸々にいろいろなセミナーで力説されていたようなイメージです。

この100を超えると感動が生まれるので、この『感動の総量を増やすこと』こそが施行満足度を高めるうえでもっとも大事である、との内容のセミナーが多かったように感じたということです。

集客でもそれは同じで、『いま現在、集客で取り組んでいること=既存の価値』、これを100とすると、集客動線の各箇所に様々な施策を打つことで『来館したいと思わせる感動』が生まれるので、この『感動の総量』を120や150に増やしていくための方法論が、色んなセミナーで熱く語られていたように思います。

感動の総量を上げるというスーパーイリュージョン

この『感動の総量を上げていく』ということは本当にすごい力量と熱意、マンパワーが必要な取り組みで、ある意味で、サーカスの曲芸やスーパーイリュージョンに近いようにもいえます。

誰もができないと思うことをやってのける「限界を超えた先」に感動が生まれるので、結婚式に携わる事業者はそのスーパーイリュージョンを作り出すことに力を注いでいこう!という発想です。

そしてこの発想やそこに向かう行動自体は本当に尊いもので、新規来館に訪れた新郎新婦や結婚式当日のゲストの方も、そのスーパーイリュージョンに感動し、成約を決断したり、「本当に素晴らしい結婚式だった」と満足するのだろうとも思います。

スーパーイリュージョン志向から欠落した視点

ただし、これはほぼ結論に近いのですが、実は当方はややもするとこの『スーパーイリュージョン志向』は少し『全体主義』に近いなとの危険性も実は感じ取っており、業界の誰もがそこを目指す必要性がないのではとも思っています。

フェアに参加して感じたもっとも大きな収穫がこの感覚とも言えます。それは荒井さやかさんのセミナーでもあった『本音=違和感』とも言い表すことができると思います。

ということで、以下ザッと感覚的に、『スーパーイリュージョン志向』がもたらすリスクや課題を挙げておきたいと思います。

  • 既存の価値の最大化に感動を覚える層は、そもそもの既存の価値自体にも魅力を感じている場合が多い
  • よって、そこにそもそも魅力を感じない層は玄関に呼ぶことすらできない
  • その大半が『なし婚』と定義される層と想定できる
  • いわゆるこの層は『スーパーイリュージョン』的なものに関心が薄く抵抗があることが多い
  • また『スーパーイリュージョン』的な演出が逆に、複雑な家庭環境を抱える層を遠ざけてしまう可能性もある

まとめ

ただしこの感想は、あくまでも感覚的なものなので統計やエビデンスをとったわけではないため、完全に的外れかもしれません。ですがブライダル業界の大多数の人が目指そうとしている『感動の総量を増やす』ということに、後ろ姿を見つけられない層がいるのでは?との視点やそれに対する施策も必ず当方は必要と思っています。そこに向けたアプローチがなかったように感じたというのも、当方の率直な感想の一つでもあります。

もちろん、素晴らしいフェアだったし素晴らしいセミナーばかりだったけれど、一方で『光と影』の影の部分に焦点を当てたテーマやセミナーがあってもよかったかなということです。

  • 頑張らなくてもいい
  • 普通でいいんだよ
  • そのままでいい

実は結婚式をしない約半数の層にはこんなメッセージこそが響くはずでは?と感じた一方で、そことは対局にある闘いが繰り広げられているなと感じた次第です。

誰もがオリンピックを目指す必要はなく、それは新郎新婦とて業界の人間とて同じかなと感じたということです。その人サイズの在り方や働き方があるはずで、もっとそこにフォーカスするようなミクロ且つミニマムな視点も今後は必要になってくるのではないだろうか?と、素晴らしいフェアに参加する一方でそんなことを感じたことも事実です。

ま、それは弊社自身がつくるしかないですね笑 頑張ります!^^

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