新着情報

ブライダル業界におけるウエディングプランナーの働き方の予測と箱貸しの可能性(2024)

はじめに

弊社は2018年から「ウエディングプランナーの働き方は業務委託になる!」と言い続けてきて、実際そのためのアクションもしてきました!
2024年の現在、もちろんすべてとは言いませんが、業務委託ウエディングプランナーの存在はかなり浸透してきています。同業他社などもかなり増え、弊社にとっては競合もたくさん増えています。


でもそれだけ需要があるということであり、且つ市場が発展するのはよいことだと思っています。また、これは根拠なく言い続けてきたことではなく、社会情勢や人口動態を緻密に読み解き将来分析をしてきた結果ともいえます。今回のブログは今後のブライダル業界に関してです!

今後の予測


現在の社会情勢や人口動態から考察した際、次に来る流れは、

  • ①ジョブ型雇用への切り替えや移行
  • ②婚礼施設の箱貸しの進展


だと見込んでいます!

①に関して詳述する前にまず、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違いに先に触れたいと思います。

  • ジョブ型雇用;
    経験者採用中心。職務内容と求めるスキルを限定して採用する雇用形態
  • メンバーシップ型雇用;
    新卒一括採用且つ終身雇用を前提。採用後に勤務地や仕事など適性に応じて仕事を割り振る雇用形態


少子高齢化の進展や日本の経済成長率の鈍化により、今後は雇用の流動性(転職がもっと当たり前になり、解雇規制が緩和される)がもっと高まっていくので、あとはいつそれ(ジョブ型)がスタンダードになっていくのかといった時期の問題だけかなと思います。なので、実際そうなるのかどうかは議論の余地がなく、いまの状況からすれば確実にそうなっていくといった流れです。

新卒採用はどうなるの?

そうなると婚礼企業は新卒を採用しなくなるのか?
あるいは、新卒のウエディングプランナーはいなくなるのか?といった疑問も出てくるところですが、そんなことは当然ないかと思います。新卒採用は原則、メンバーシップ雇用が継続されていくと思います。なぜならば母数を集めやすいという意味合いでも、新卒一括採用は企業にとって非常に便利な面もあるからです。

ただ新卒採用の場合は専門職採用よりも、ますます総合職採用の毛色が強くなっていくとみています。プランナー職に限らずサービスやゲストリレーションなど、あらゆる部門に横断的に対応できるマルチプレイヤーを新卒として採用していくことが人事戦略上必要になると判断する企業が増えるのではと見込んでいます。

要は「おもてなし全般のプロ」になれるマルチプレイヤーを育成していくといった採用戦略ですね!

もちろんそのなかでウエディングプランナーとしての適性が見込まれる場合には、社員としてウエディングプランナーになるという選択肢も継続されていくとは思いますが、この場合は雇用契約をジョブ型雇用に切り替える方などの選択肢もとられていくと思います。

ただ、原則新卒は「おもてなし全般」を担当するマルチプレイヤーとして採用しているため、プランナーに抜擢される割合はおのずから減っていくと思います。
はなからプランナーになりたい場合は、ジョブ型雇用の募集を出している求人に応募するか、ジョブ型雇用に抜擢されるかのどちらかが一般的になっていくと思いますが、新卒でいきなりプランナーになることは難しいため、当面の間はジョブ型雇用は中途採用が中心になってくるとは思います。

また婚礼施設としては一方、これらマルチプレイヤーの存在は、箱の運営上必ず必要になるため、この領域における仕事の魅力や付加価値をいかにあげていくかが新卒採用の戦略上も極めて大切になってきます。
要は、新卒採用のマルチプレイヤーは、その婚礼施設を知り尽くしたオペレーションのプロとしての位置づけになってくるという見込みですね。

箱貸しの可能性

この前提と連動する形で、上にあげたもう一つの予測である
②婚礼施設の箱貸しが進んでいくのではと踏んでいます。
ただこの「箱貸し」というのは、単なる「丸投げの箱貸し」ではなく、その箱を知り尽くしたプロが「その箱の価値が最も高まるように貸す」というニュアンスです。

①で挙げた新卒を中心とするマルチプレイヤーは、その婚礼施設を知り尽くしたプロであるため、箱のオペレーション向上やマネジメントに特化したスキルを身につけています。よって、その箱を業務委託のフリープランナーやジョブ型雇用のプランナーなどが活用しやすいように且つ、その箱の価値が最大化するようにオペレーションしていくためには、新卒採用を中心としたマルチプレイヤーの存在が必須になってくるということです!

すなわち、箱を運営する側はその箱を知り尽くしているため、「単なる丸投げの箱貸し」ではなく、そどうすれば外部人材やお客様がもっとこの箱を満足して利用且つ活用してもらえるか?に注力して動いていくことになるということです。
一方、その箱を利用且つ活用させてもらう側の外部のフリープランナーやジョブ型雇用のプランナーは、「箱のプロ」がいるからこそ安心してプランニングに集中する環境が構築できていきます。これが弊社の考える「箱貸し」のイメージです。箱を貸す側と借りる側とで一緒に「共有」するといったイメージですね。

これが実際進むと、

  • 持ち込みといった概念がそもそもなくなる
  • 婚礼施設は自前でプランナーを複数雇用しなくてもいい
  • 箱の運営に特化できる

利益構造の変化

こうした状態となるため婚礼施設の利益構造やあり方自体がそもそもガラッと変わっていくことになります。

時代はますます

  • 所有から共有へ
  • 雇用から委託へ
  • メンバーシップ型雇用からジョブ型へ
  • 大量生産から持続可能へ

これらに向かって進んでいくことはもはや疑いようがないと思いますので、
弊社も時代の先取りをして必要とされるサービスを提供できるようにますます頑張っていきたいと思います!

長々と最後までお読みいただき大変ありがとうございました^^

こちらもおすすめ

  • 代表の視点

    ブライダル産業フェア2024の感想②

    Index全体の感想既存の価値の最大化=感動の総量を上げる感動の総量を上げるというスーパーイリュージョンスーパーイリュージョン志向から欠落した視点まとめ プラスワン・プランナーを運営する株式会社永光の・・・

  • 代表の視点

    ブライダル産業フェア2024の感想①

    Index拝見したセミナーと簡単な概要および感想5月28日(火)5月29日(水)ブライダル産業フェア2024に参加しての後述 プラスワン・プランナーを運営する株式会社永光の高橋です。 2024年5月2・・・

  • コラム

    ブライダル業界の人材採用戦略の現状と今後

    Indexブライダル産業を取り巻く環境・出生数および婚姻件数と少子高齢化率・少子高齢化の推移・ブライダル大手各社の新卒者採用数・新卒者の3年以内離職率 ・産業別の新卒者離職率・男女別の離職理由 ・欠員・・・

  • コラム

    ウェディングにおける市場分析の重要性と落とし穴

    ブライダル業界における結婚式の実施率の分析や市場分析等は、
    様々な方法がありますが、
    その分析手法もそれぞれに前提が異なるため、
    その調査に隠された落とし穴を理解した上で分析することが大事です。


一覧を見る